責任者

暫くは年長者を責任者に据えていた。

年齢が安心を生むという誰かのこだわりに従って。

私は全く納得していなかったが、他人の価値観を受け入れた。

暫くすると、お客様から不満の声が上がった。

責任者(年長者)のパフォーマンスに問題があった。

私は原因を考えた。

日常的に私が突き上げ過ぎたのではと気になっていたからだ。

しかし、考える間も無く厳しい宣告がお客様から言い渡された。

翌月から私が責任者となった。

代わりの年長者を提案したが、お客様が私を指名した。

20代の責任者は異例だった。

お客様を取り巻くパートナーでは、責任者の殆どは40代だった。

各社の責任者は横の繋がりがあり、交流が盛んだった。

私は全くその輪の中に入れなかった。

しかし、無理に入る必要はないと思った。

私は自分のやり方で切り開こうと思ったからだ。

私はリーダーシップを発揮し、受注は拡大した。

仕事が増えるに従い、人も増え、私は次第に手余りとなった。

気がつくと会社には他の部署が出来ていた。

社長が連れてきたベテランが別のお客様を攻めていた。

しかし、上手くいっていなかった。

私は統括責任者として二つの現場を持つことになった。

私は同じ世代からリードしていて有頂天になっていた。

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