一筋の光

私は諦めの悪い男だ。

オプジーボは前回6分の1量で投与した。
それは世界的な事例に基づいた判断だった。
今回は2回副作業が起きた末の投与となる。
病院側の許可が下りるか分からない。

しかし、根本的な疑問がある。
「もっと少ない量で出来ないのか?」
この質問に対しては事例がないから、病院としてはできないというのである。

これに対して、2つ思いついた。
 ・事例を世界中から探せばよい。
 ・出来る病院を探せばよい。

主治医の先生はすぐに事例の探索を海外に向けて発信してくれた。
まだ返事はないが、オプジーボの試験投与研究が進んでいることは事実である。
それが認められればリスクをある程度抑えた形でのオプジーボ投与が可能となる。

また、癌が変異している可能性が出てきた。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫という悪性リンパ腫に変異している可能性だ。

初見時は12cmの腫瘍があったので、なんとか生検が出来た。
しかし、再度10cm越えのサイズになることは死を意味する。
常に5cm未満のコントロールが必要だ。

場所が心臓脇で大静脈や気管の間ということで生検はかなり困難を極める。
もし、この仮説が検証されたら、現在白血病向けに開発されているCAR-T療法が使えることになる。

白血病は癌細胞の表面にCD19というタンパク質が発現する。
ホジキンリンパ腫はCD30である。
しかし、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫はCD19が発現するらしい。
これが証明されれば、新薬投与の期待が出来るのである。

国内の病院で可能な段階になるのは少し先かもしれない。
しかし、海外であれば事情は異なる。

11月上旬に再度CT検査で進行具合の確認をする。
大静脈のバイパス手術をもしすることになるのであればその前に生検を行うことが可能か病院側に確認依頼をした。

まだ諦めるのは早い。
子供達の寝顔を見ていたら未だ死ねないと思った。

悪運は強い。

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